「発症から3時間以内に投与」

「搬送された時はほとんど動けなかったり、
話せなかった人が、後遺症なしに退院するケースが
増えている」。

大阪府吹田市の国立循環器病センター内科脳血管部門の
峰松一夫部長は、tPAの効果を実感している。

保険適用から今年6月末までの約9カ月間に同センターで
投与した30人の患者のうち、3週間後にほとんど
後遺症を残すことなく症状が回復したのは
4割強(13人)。

一般に脳梗塞で発症前と同じ状態に回復するとされる
「約2割」を大きく上回る。

ただすべての脳梗塞患者にtPAが
使えるわけではない。

「発症から3時間以内に投与する」という厳しい条件
があるからだ。

病院到着後、画像診断や血液検査などに要する
約1時間を差し引くと、発症から病院への搬送時間は
「2時間以内」が求められる。

このほかいくつもの投与基準があり、実際に同センター
は30人に投与したが、搬送された脳梗塞患者の数%に
過ぎないという。

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